非エンジニアのマネージャーがAIに3ヶ月すべてを捧げた結果、10案件を同時に回せるようになった話
アラフォー非エンジニアのデータ分析マネージャーが、3ヶ月間AIに没頭して何が変わったか。プロジェクト数3→10超、新組織の立ち上げまで——実体験の記録。
先日、自分のAI活用レベルを診断してもらったら「上位1%以内」で「Anthropic社内のショーケースに出せるレベル」と言われましたw アラフォーの平凡な非エンジニアのマネージャーが、自分を変えるべく3ヶ月間AIにすべてをささげた結果、今では10個以上の案件を同時に回すマネージャーになれたんです。
Claude Codeに自分の環境を評価してもらった結果。AIは優しかったりするのでお世辞が過ぎるとは思いますがw
今回は、たった3ヶ月で身の回りに起きた様々な変化をまとめました。本記事は僕の初記事です。自己紹介目的の記事なので、AI活用の詳細な手法説明は今回は行いません。AIをガチったらどこまでいけるのか?の一つの事例として参考にしてもらえればと思います。
3ヶ月前の自分の話をさせてください
僕は大手IT企業でデータ分析チームの責任者をしています。アラフォーの非エンジニアです。
日々の仕事は、本職であるデータ分析業務の遂行と、プランニングミッションと、組織貢献ミッションの3つでした。
- データ分析業務:様々な部署から飛んでくる比較的緊急度の高いタスクを、部下をアサインして遂行する
- プランニング業務:toC向けの自社サービスの運用企画業務(予算の制約や詳細なターゲット設計が求められる)
- 組織貢献ミッション:データ分析のコスト低減ミッションと、子会社の分析メンバーの教育
同時に動かせるプロジェクトはせいぜい3つ。本気で向き合えていたのは1つだけで、残りの2つは中途半端。日々差し込まれる緊急分析依頼のため、1週間先のタスクすら見えない。給料は上がり続けていたから、「まあ、このままでもいいか」と自分を納得させていた感じです。
でも分析組織に属している期間が長いぶん、分析依頼がきても「この分析をしても数字は変わらないんだよな……」とわかるケースも多くて。それでもプランナーは上司への提案材料として分析を求めてくる。それを適切な設計に落とし込み直す。その繰り返しでした。
正直、ここ3年くらいやる仕事は変わってなかったし、キャリアの閉塞感を感じていた部分もありました。プライベートでも娘が生まれて家族優先になっていて、仕事に対しては優先度が落ちていた部分もありました。
何かチャレンジがしたかった
当時の社内では、2025年の夏ごろから「AI活用だあああ!!」という流れが起きていました。各部署のAI活用事例がトピックスとして社内のSlack上で飛び交う環境になってきていた。でも個人的には「『〇〇について教えて』がGoogleからAIに代わっただけ」くらいにしか思っていませんでしたし、こんなんで何が使えるねんと思っていたのが正直なところです。
2025年の年末年始。自分の年齢もアラフォーになり、現状に決して満足はしておらず、何かを変えたいともやもやしていて、年始からまた本気で何かに取り組もうという浅い考えからAIについて再度調べてみることにしたんです。
社内ではGoogleスプレッドシート・スライド・ドキュメントで資料を作ることが多く、それとの親和性が高いGoogle製のAI(Gemini)から触り始めました。最初は自分の業務を説明しながら、より成果を出すためにひたすら壁打ちを始めた。そのセッションの中で、社内で難しいと思われていた分析タスクの具体的な進め方や、AIと連動してできる事例がぼろぼろと出てきました。
CyberAgentの藤田会長の言葉で『頑張るタイミングを間違えない』という内容のものがあります。受験の3年前から勉強するより、直前の3ヶ月を本気でやった方が、時間あたりの効率が爆上がりするという話です。その言葉がずっと心に残っていた自分は「ここだっ」と確信しました。周りを見ても大した活用はできていないと思ったし、やるからには一番になろうと思いました。まず組織で一番。次に会社で一番。
最初の興奮——自分でコードが書けた
当時抱えていた分析タスクで、ユーザーごとの分析結果を大量のファイルに分割しないといけない作業がありました。手作業だと気が遠くなる量。これを自動化するにはGAS(Googleのスプレッドシートやドライブを自動操作するプログラム)が必要でした。
GASなんてほぼ触ったことがない。
それでもAIに要件を伝えたら、コードを書いてくれました。つまずいたら画面のスクリーンショットを送って質問する。70%くらいの精度で正しい指示が返ってくる。残りの30%は「そんなボタンは存在しないよ」とスクショ付きで返せば、問題は次々に解決していきました。
実行ボタンを押すと、求めていたファイルがGoogle Drive内に次々と生成されていく。非エンジニアの自分でもアウトプットの幅が広がりそうだという感動を覚えたし、アラフォーになっていた自分には久しぶりの成長実感でした。自然とガッツポーズが出ました。
そこからは寝ても覚めてもAIに没頭しました。PCと向き合う時間はもくもくとAIと仕事をし、PCが使えない場面ではスマホでずっと新しい知識を入れる。毎日刺激が尽きない、そんな日々でした。
AIを使った分析プロジェクトで、評価された
GASの成功で勢いがついて、NotebookLMを使った分析プロジェクトに取り組みました。社内で「難しい」と言われていた分析テーマに、AIを組み合わせてアプローチしてみたんです。
手作業で数日かかっていた分析が、数分で出てきた。しかもアウトプットがきめ細やかで品質も高い。
テストのつもりで、上長に「大したものじゃないかもしれませんが」くらいのテンションで共有しました。お昼前に送ったレポートに対して、MTGが詰まっていたはずの上長が、2〜3時間後には自分でも同じツールを使ってレポートを提出してきた。
「このレベルの施策をサクッと考えられるのはでかい」 「まじでノーベル賞ものだな」
初めて尊敬する立場の上司からありがたいフィードバックをもらって自信につながったのは、今でも覚えています。この瞬間に、AIに今年はベットして間違っていなさそうだと確信に変わりました。
この成果がきっかけで、新しい組織の立ち上げも決まりました。自分が出したアウトプットが、組織を動かす仕組みにまで育った。上長がすぐに価値を見抜いて動いてくれたからこそ、ここまで広がった。感謝しかないです。
Claude Codeとの出会い
NotebookLMでも成果は出ていました。ただ、限界も感じていて。長いコンテキストを渡して一つの指示で最後までやりきる、品質を保ったまま複数のレポートを並列で出す——そういう使い方には向いていなかった。
そんな時にClaude Codeに出会いました。AIとチャットするだけでなく、ファイル操作やコード実行まで一貫してやってくれるツールです。
最初に注目したのは、自分が関わるすべてのプロジェクトの前提情報を整理して渡しておけば、それに応じてアウトプットを返してくれる点でした。なので、まずはひたすらテキストで各プロジェクトの目的・ゴール・背景・誰がアサインされていて自分の役割は何かを、高校生に一から教えるつもりですべて言語化しました。
ぐちゃぐちゃの殴り書きメモだったけど、それでもClaude Codeはそれを体系立てて整理し、プロジェクト管理の最適な方法を提案してくれた。さらに、曖昧な部分があると逆に質問してくる。
ここが今まで使ってきたAIと決定的に違いました。それまでのAIは指示に対してアウトプットを作ることに集中する。Claude Codeは違う。最適なものを作るために、こちらが伝えきれていない部分を聞いてくる。壁打ち相手ではなく、一緒に仕事をするパートナーみたいな感覚でした。
すべてのプロジェクト情報を伝え終えた後は、「この件、どう進めればいいと思う?」とざっくり聞けば、事業の文脈を理解した上で提案が返ってくる。もう一人の自分ができたような感覚です。
3ヶ月で身の回りに起きた変化
Claude Codeを導入してから2週間くらいで、いろんなことが変わり始めました。実際の詳細は今後の記事で書いていくので、ここでは起きたことだけ並べさせてください。
- プロジェクト数が3個→10個超に。 どのプロジェクトも常に最新の状態で「次に何をやるべきか」が整理できている。全部の背景とゴールがAIに入っているので「あれどうなってたっけ」がなくなりました。
- 新組織のマネージャーに任命されました。 AIで出した成果とAIへの熱を評価してもらって、社内のAI活用を推進するチームを任されることに。データ分析チームの責任者と兼務です。
- 「聞いてないぞそれ」が消えました。 Slack、カレンダー、データ分析基盤、タスク管理ツールが全部つながって、情報が勝手に更新される。これが一番ストレスを減らしてくれた気がします。
- 定例MTGの資料準備が、30分から5分に。 構成案を作って内容を埋めて依頼文まで生成する流れが、ほぼ自動化されています。
- チーム全員がAIを使い始めました。 自分のチームにも全員分の環境を整備しました(ここはまだみんな苦戦してるみたいだけどw)。
- タスクの漏れがなくなった。 全タスクが可視化されて、毎朝AIと優先度をすり合わせる。「何か忘れてないかな」と不安になる朝がなくなりました。
振り返ると、変わったのは仕事の量やスピードだけじゃなくて、できる領域が広がったのが大きいです。GAS開発、プランニング、仕組みづくり。「自分の仕事じゃない」と避けていた領域に踏み込めるようになった。
あと、AIに任せられる部分が増えたぶん、人と向き合う時間が増えました。マネジメントやコミュニケーションのインプットに、ちゃんと時間を使えるようになった。AIにできないことにこそ時間を使う——そういう考え方に変わってきた気がします。
これからやりたいこと
今、2つのことに挑戦しようとしています。
ひとつは、データ活用の観点で組織の意思決定の速度を上げていくこと。もうひとつは、自分の組織の壁を越えて、他チームの業務設計にも入っていくこと。やってることは同じで、業務を分解して仕組みにするだけ。この3ヶ月でその筋力がだいぶ鍛えられたので、活かしていきたい。結局、縦割りの組織が多い中で組織と組織の隙間を埋められる人材が強いんですよね。
おわりに
3ヶ月前の自分に言うとしたら、「もっと早くAI使ってろよ」ですかね。でも、正しいタイミングで正しい努力をできたのがラッキーだったと思います。
この記事では「何が起きたか」だけお伝えしました。「どうやったか」は、次の記事から一つずつ書いていこうと思います。もし3ヶ月前の僕と同じように「AIは使ってるけど、まだチャットで質問するくらい」という方がいたら——一緒に頑張りましょう。